障害年金の疑問にお答えします

障害年金のQ&A

Q
障害年金の遡及請求とは?
A

障害年金制度について知らず、障害認定日に請求していなかった方など、本来ならば受給できていたであろう障害年金をさかのぼって請求することを遡及請求といいます。

過去にさかのぼって障害年金を受給することを、正式には認定日請求と呼びます。

障害年金を受給できる権利は、初診日より1年6ヶ月後の障害認定日に発生します。

ただし年金請求の時効は5年ですから、最高5年を限度として遡れます。

Q
働きながらでも障害年金は受給できますか?
A

支給要件を満たせば、働きながらでも障害年金を受給することは可能です。精神の病気での申請は難しい場合もありますが、その他の障害であればもらえる可能性があります。
「障害によって、日常生活や仕事がどの程度制限されているか」が、障害年金の支給を決める一つのポイントになります。障害年金の請求の際は、「病歴・就労状況等申立書」でしっかり訴えていきましょう。

ただし、20歳前の障害の場合には、本人が保険料を掛けることがなかったため、所得制限が設けられています。

扶養親族がいない場合で、課税所得金額が370万4千円で1/2、472万1千円で全額支給停止になっています。大半の方の場合には、障害基礎年金が支給停止になることはありません。

Q
障害が二つあります。障害年金は増えますか?
A

複数の障害がある場合(医療機関で2つ以上の傷病の診断結果が出た場合)、上位等級に認定されることもあります。
例えば、障害年金3級を受給中に、新たな障害が発生し、2級または1級に該当しましたら、年金額が増えます。
組み合わせは多岐にわたり、併合認定基準によります。 ➤

初診日についてのQ&A

Q
初診日が不明です。初診日をどのように調べたらいいでしょうか?
A

診察券や領収書、手帳に記録が残っていないか探してみてください。

初診日が大体いつ頃だったかを、一生懸命思い出してみてください。5年以内であれば、市区町村、協会健保または健康保険組合にレセプト(診療報酬明細書)の開示請求をして、初診日を調べることも可能です。

Q
初診日が10年以上前にあるため、カルテの保存がないと言われました。この初診日での請求はどうなりますか?
A

カルテなどがなく、初診日証明をとることができない場合でも、病院で受診していれば障害年金を請求することが可能です。

この場合は、初診日証明がとれない理由を記載した「受診状況等証明書が添付できない理由書」と、その病院を受診していたことが客観的に証明できそうな資料(例:診察券、レシート、健康診断の結果など)の添付が必要です。

Q
初診日が10年以上前で、カルテが残っていないと言われました。その後通った病院で初診日とすることはできますか?
A

10年以上前に通った病院から最近かかった病院の間に、全く治療などにかかっておらず、現在かかっている傷病との継続関係が認められない場合は、最近通った病院に初めて受診した日を初診日とすることができます。
これは、いったん治癒したものとし、現在の傷病とは別に扱う方法です。(社会的治癒といいます。)
社会的治癒が認められる要件は次のとおりです。
・ 症状が固定し、治療を行う必要がなくなったとき
・ 少なくとも5年、自覚的にも他覚的にも病変や異常が認められないとき
・ 一定期間、普通に就労できていること
また、社会的治癒が認められず、後に通った病院に前の病院からの転院記録が残っている場合は、この方法で請求することはできません。